弘法の筆謬り

外資系企業で働く戦略コンサルタントのブログです

【Powerpoint】全ページ全オブジェクトを一括でグレースケール設定する方法

だいたいの企業では、コスト観点からカラー印刷は禁止されていると思います。
ペーパーレス化が進んでいる企業では資料は投影のみで、印刷することはめったに無い、ということもあるかもしれませんが、まだまだ紙に印刷して配布する文化が根強い企業も多いのではないでしょうか。

組織は戦略に従うと言いますが、資料は印刷に従う、というのもまた真です。
白黒印刷しか認められない環境であれば、予め資料もグレースケールで作成しておくというのがセオリーなのですが、やはり作成中はカラーで作成し、印刷のときだけ白黒設定にして印刷してしまう人は後を立ちません。

グレースケール設定の重要さ

それの何がいけないのか、という話ですが、論より証拠ということでまず具体例をご覧頂きます。
なにかこういった資料があるとします。

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カラーでは、それなりに見た目は整っている様に見えます。
しかしこれをいざ白黒設定してそのまま印刷してみると、、、

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この様に白で塗りつぶされているオブジェクトは、枠線なしでも白黒設定だと枠が強制的に印刷されてしまいます。

皆さんも一度はご経験されたことがあると思います。
最後のグレースケール設定を怠ったが為に、せっかく整えた見た目がめちゃくちゃになります。

グレースケールの設定方法

これを回避するためには、一つひとつのオブジェクトについて、プロパティを「グレースケール」に設定する必要があります。印刷設定をグレースケールにするのでは足りません。あくまでオブジェクト自体がグレースケールの設定になっていないと思う通りに印刷されません。

具体的には下記です。

  • 「表示」タブ → 「グレースケール」
  • オブジェクト(スライド中の箱とか図とか)を選択した状態で、「グレースケール」メニュー中の「グレースケール」を選択(元々は「自動」になっているはず)

通常、プレゼン資料は数枚から数十枚で構成されていますから、全スライド、全オブジェクトについてこのグレースケール設定をしてあげる必要があります。

1ページだけなら Ctrl+A で全てのオブジェクトを選択してグレスケ設定できるのですが、10ページあれば10回、100ページあれば100回この操作を繰り返す必要が出てきます。非常に面倒です。

マクロでの全ページ一括グレースケール設定方法

Officeでの面倒事は、全てVBAが解決してくれます。具体的にはこちらのコードのマクロを実行するだけです。

Sub GrayScale()
 Dim sld As Slide
 Dim i As Long
  For Each sld In ActivePresentation.Slides
   With sld
    For i = .Shapes.Count To 1 Step -1
     If .Shapes(i).BlackWhiteMode <> msoBlackWhiteGrayScale Then
     .Shapes(i).BlackWhiteMode = msoBlackWhiteGrayScale
     End If
    Next i
   End With
  Next sld
End Sub

マクロの実行方法については他のサイトで語り尽くされているところですので、本記事では割愛します。開発タブを表示して、Visual Basic Editorを表示して、、というやり方が通常ですが、PowerpointにはExcelで言うところの「個人用マクロブック」に相当するものが存在せず、どのPowerpointファイルを開いても同じマクロを使うということがExcelの様に簡単には出来ません。

そこでアドインの出番です。

アドインの設定方法

少しだけややこしいですが、一度だけ設定してしまえばあとはどのPowerpointファイルを開いても、いつでも「クイックアクセスツールバー」に上記マクロが実行できるボタンを表示し続けることができます。

Step1. Powerpointのアドイン(ppamファイル)をダウンロードする

まずはアドインファイルをこちらのページからダウンロードしてください。
※無料配布のものになりますので、各人のPC環境の違い等による動作の不具合等の責任は負いかねますことを、予めご了承頂ければと思います。(Windowsのみ)

Step2. 適切な格納場所に保存する

手元に上記アドインファイルがある前提でお話します。
アドイン(ppamファイル)は下記パスに格納してください。

C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Microsoft\AddIns

(ユーザー名)の部分では、皆様のPCのユーザ名のフォルダを選択頂くことになります。Officeが正常にインストールされているPCであれば上記格納場所は存在するはずです。

Step3. Powerpoint上でアドインを読み込む

何でも良いのでPowerpointファイルを開きます。

  • 「ファイル」→「オプション」→「アドイン」を選択
  • 同画面下部にある「管理(A)」を「Powerpoint アドイン」に変更し、「設定(G)」をクリック
  • 右側に並ぶメニュー中「新規追加(A)」をクリック
  • Step2で格納したppamファイル「GrayScale.ppam」を選択し、「開く(O)」をクリック
  • 「閉じる(C)」をクリック

これで、皆さんのクイックアクセスツールバー上に

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この様なアイコンが追加されたかと思います。

利用方法

このボタンを押すだけです。
数百ページあるPowerpoint資料では数十秒かかることもありますが、通常は一瞬ないし数秒程度で開いているファイルの全てのオブジェクトがグレースケール設定になることがおわかり頂けるかと思います。

f:id:logicalkobo:20191104003013j:plain → f:id:logicalkobo:20191104003015j:plain

 いままで諦められていた方も多いかと思いますし、このグレースケールの仕様に気づいていながらもうまい効率化方法が見つからず膨大な手間を毎回かけていた方も多いかもしれません。

ほんのちょっとしたことですが、皆様の業務効率化に役立てば幸甚です。

 

再掲:ppamファイルダウンロードはこちらから

 

コミュニケーションの大前提

就活生時代、コミュニケーション能力を売りに自己アピールをしていた人も多いことと思います。

実際、大学生が定義するコミュニケーション能力と社会人が求めるコミュニケーション能力の定義に大きな乖離があることはよく言われている話ではありますが、社会人になってから学生時代に「コミュ強」だったはずの人が職場でのコミュニケーションがうまくいかず悩む人は少なく有りません。

コミュニケーション能力とは

私なりのコミュニケーション能力の定義は「話し手の意図を正しく汲み、聞き手に対して自分の思いを正しく伝えることを通じ、物事を前に動かすことのできる能力」です。

気の利いた言葉で場を盛り上げることができることや、聞き上手で相談に乗るのが上手く、女子から恋愛相談をよく受ける、といったタイプのコミュニケーション能力もこの定義とは少しズレます。

このコミュニケーション能力が備わっている人は、驚くほど少ないのが実感値です。

「話し手の意図を正しく汲み」というのは、キャッチボールで言えば相手が投げた球をしっかりと受け止めること、「聞き手に対して自分の思いを正しく伝える」というのは、球を自分が正しく相手の構えているところに投げることをそれぞれ指します。

これに加えて「物事を前に動かすことのできる」というものを定義に追加していますが、どれだけ雄弁だったりどれだけ聞き上手であったとして、その会話が物事を進展させない限りは何ら価値を生まないということを意味しています。キャッチボールであれば、ちゃんと玉ねぎやじゃがいもじゃなくてボールを投げているか、というところでしょうか。

コミュニケーションの問題点

コミュニケーションを一切取らずにできる仕事というものは存在しませんので、誰もがこのコミュニケーションに苦労するわけですが、コミュニケーションについて非常に厄介なのは、

コミュニケーションが成立しないとき、聞き手は話し手の話し方の拙さを責めがちであり、話し手は聞き手の理解力のなさを責めがちであるということです。

プレゼンテーションの内容を聞いていて全く頭に入ってこない場合は、「こんな意味不明なプレゼン資料をつくりやがって」と怒る人こそいても、「このプレゼンが理解できない自分はバカなのではないか」と悩む人は本当に少ないでしょうし、

自分の話が全く理解できない相手に対し、「これくらいの論理や言葉も知らないなんて、勉強不足にも程がある、聞き手に学がなく頭が悪いのが悪い」と思う人こそいても、自分を責める人は本当に少ないと思います。

ミスコミュニケーションは双方の問題

コミュニケーションというものはキャッチボールと同じなので、球が相手に正しく届かない、相手の球がキャッチできないのはいかなる場合でも双方に責任があると考えるべきです。

受け手としては球の投げ手の肩が弱くてボールが届かないなら近寄ればいいですし、球が速すぎるならゆっくり投げてくれと言えばいいだけの話です。

同様に投げ手としても、受け手の構えている場所にきちんとボールを投げるべきですし、多少キャッチが下手くそなら変化球ではなくて、ゆっくりめのストレートを投げてあげればいいだけの話です。

キャッチボールなら双方は歩み寄るのですが、こと仕事上のコミュニケーションとなると途端に相手をバカだの能無しだの言い始めます。

相手の話がわからないなら質問をして理解するように努めるべきですし、自分の話が理解されていないと思うのであればわかるように噛み砕いてゆっくり話すように努めるべきです。

時間がない中そんなイチイチ人に併せてコミュニケーションスタイルを変えていられないと言うかもしれませんが、適切にコミュニケーションされずに生まれる仕事のアウトプットほど無駄なものは有りません。めんどくさがらずに会話をしないと物事は前に動きません。

細かいコミュニケーションスキルは色々と語られていますが、それ以前のコミュニケーションの大前提について意識的になるべきではないでしょうか。

 

トークストレートの本当の意味

コンサルティング業界には”Talk Straight”という言葉があります。
トークストレートという言葉をどの様に解釈するかは人それぞれ定義が揺れるところだと思いますが、私なりの定義は、「立場や役職に関係なく、クライアントバリューを高める目的に資する限りは臆することなく発言して良い(発言すべき)」というものです。

従来の通常の企業では、長いものにまかれろだったり、年の功だったりと、若手は会議での発言権すらまったくないような企業は未だに多く存在するいることでしょう。

これに対し、トークストレートは、企業価値の向上といった市場命題に資する限りは、若手だろうがなんだろうが発言すべき。そこに価値があるのであれば立場は問わない、といった従来の企業内コミュニケーションの”あたりまえ”に対するアンチテーゼとして打ち出されたものと私は考えます。

トークストレートが乱用されている

しかし人によってはこのトークストレートを、「何でも思ったこと言って良いよ!」という様な感じに解釈して、パワハラまがいのことを平気で口にしてしまう人も居るようです。以下このトークストレートを本来の意味と区別するために「トークストレート()」と表現します

人の気持を考えずに何でも言って良い、というような性質のコミュニケーションが中長期的に組織にどの様な結果をもたらすかなんていうことは火を見るよりも明らかなのですが、当の本人はそのトークストレート()を金科玉条のごとく振りかざして他人を口撃します。

言わなければ伝わらない、何も変わらないというのはその通りですが、思ったことを思いやりのフィルターを通さずに何でもそのまま発言してしまうのでは、ほとんど小学生と一緒です。

育てるためには時には厳しいことも、トークストレート()で伝えることが必要だ、という主張には一理あります。しかし厳しいフィードバックこそ、それに適した伝え方があります。

人前で厳しく叱責したり、メンツを潰すようなコミュニケーションは、どれだけその指摘が的を射たものであったとして、本人にとってはモチベーションが下がる要因でしかありません。

 

上司と部下のコミュニケーションに限った話でもありません。
クライアント企業とのコミュニケーションだとした場合でも、思ったことをそのまま言うことが本当に最善の結果を生むかどうかということについては首を捻らざるを得ません。

その道数十年、叩き上げで仕事を回してきた事業部長に対し、外のどこの馬の骨とも分からないような若造コンサルタントが、トークストレート()に企業戦略について論じようものならたちまち怒りを買うだけです。

コンサルタントが如何に価値の有ることを言っていたとしても、相手に受け入れてもらい企業が動かなければ、企業価値の向上に資することなど決して叶いません。

 

本来のトークストレートには、コミュニケーションをサボって良いという意図は含まれていないはずです。トークストレートの本当の意味を思い出し、乱用しないように気をつけたいところです。